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2015年11月27日 (金)

▽アクトレス

Img_2377 ジュリエット・ビノシュが好きだから、忙しさの間を縫うようにして、珍しくひとりではなくお友達と観に行ったヒューマントラストシネマ有楽町。

なんか、久しぶりに、「感動しなくっちゃ」という強迫観念なしに楽しめて、それで、ほんとうに心動かされた。
「美しく生きること」。
内面はもちろん外面もしっかりと、「美しく生きること」をテーマにせざるを得ない女優という職業のヒロインが抱える加齢という問題。
これが、やはり40代の最後を生きる私としてはとても近い問題だから、ヒロインのひとつひとつの言動が身にちくちくしみる。
よいセリフがたくさんあって、それでパンフレットを買ったのだけど、やはりシナリオ収録ナシ。
これが残念。
女優たちのプロフィールなんてネットでいくらでもわかるのだから、シナリオが欲しい。
DVDで借りてしっかりとメモしたい。
私のあたまのなかに残ったセリフがふたつ。
もちろん正確ではない、だいたいの意味なんだけど、こんなかんじ。
「若さに執着しない人は年齢そのものから自由でいられる」
「どんな低級な作品(娯楽作品)のなかにだって真実はあるし、そういう作品で真実を表現することはできる。かしこまった作品がかならずしも真実を表現するわけではない」
ああ。かなり自分的な意味で書いてしまっています。
けれど、すごく共鳴した部分。
それで。
この映画、原題は「シリス・マリア」っていう。
これは、スイスの南東部、高級山岳リゾート地で知られるサン・モリッツ(シャネルもここにいたことがある)からバスで20分くらいの小さな集落の名前。
ここが重要な舞台になってる。
それでそれで。
この近くには独特の気象現象があって、それが「マローヤのヘビ」って呼ばれている。
初秋の早朝に、運が良ければこの現象を見ることができる。
山の合間を雲、というかすごく濃い霧が這うようにうねうねと流れる、ものすごい壮観な光景。
マローヤ峠を這うヘビ……のような雲、濃い霧。
私は「マローヤのヘビ」を、この目で見てみたい、と切に願った。
気象現象をこんなに強く見たい、と思うのはあまりないことだ。
もしかしたら軽井沢の霧を深く愛しすぎていて、その流れかもしれないな。
それでそれでそれで。
映画のラストのほうでこの「マローヤのヘビ」が見られるのだけど、そのときに流れる音楽が「パッヘルベルのカノン」。
この組み合わせ以外あり得ない、というほどにみごとで、私は身体の真ん中で落涙した。
感動的なシーンだった。
映画館で観てほんとうによかった。
パッヘルベルのカノンをそれから毎日聴いている。
かなしい気持ちを、すこし晴れやかにしてくれるときもあるし、慰めてくれるときもある。
だから熊本に行く飛行機で、音楽のチャンネルをクラシックに合わせたら、うそみたいにパッヘルベルのカノンが流れてきて、ほんとうに驚いた。
来年の初秋に私はスイス、シリス・マリアに行って「マローヤのヘビ」を見たい。
*ユーチューブへのリンクがうまくできないので、それぞれのカノンをお聴きください。
私はベルリン・フィルハーモニーのが好き。

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2015年11月25日 (水)

◇エディット・ピアフ生誕100年記念コンサート 熊本公演

Img_2364 エディット・ピアフ生誕100年記念コンサート 熊本公演のご報告です。

フェイスブック調のまま、というかフェイスブックと全く同じ文章です。
***

ごきげんよう。もうだめばた的な日々が猛スピードで過ぎて、気づけば12日間もみなさまにお会いしていませんでした。けれど、ときにはこんなふうに離れ離れになるのもよいかもしれませんわね。だって、ほら、こんなに新鮮。

雨の東京、みなさまはいかがおすごしでしょうか。

今日は「エディット・ピアフ生誕100年記念コンサート 熊本公演」のご報告。

Img_2298_2 熊本で、ピアフ。ひとことで言えば、とってもビビットな体験でございました。

私、これからライフワークのひとつにしていこうと思っている「語りと音楽」のこと、とても好きだと思ったわ。

朗読って、通常のトークイベントとぜんぜん違って、なにか……まったく別世界にいるみたいな感覚になって……アブナイ、あるいは、イケナイ恍惚が……あるみたい……

Img_2358_4 熊本のみなさまは殿方もご婦人も、とってもあたたかかった。

私、みなさまのあたたかさにふれて、もっとよいひとにならなくっちゃ、って思ったくらい。

というわけで本日の言葉のプレゼントは、もちろんピアフから。

最後の最後、南フランスで療養しながら、もう立てないくらImg_2328_4 いの状態で、それでも次の仕事の計画に夢中だったころの言葉。

「みんなが忘れようとしても忘れられないステージにするために磨きをかけなくちゃね」

ええ。すっかりその気になっている私なのでございました。もともとその気になりやすいのよ。1218日の銀座シグナス、1219日の自由が丘ラマンダ、1228日のサントリーホール、全部の力を注ぐ気概だけはあるのでございます。

写真は書店でのトークイベントの
様子、ドルチェでの公演の様子はピアニストで主催者の大羽洋子さんと。(目を閉じているのは洋子さんの演奏にうっとりとしているのよ)。

それから、くまもんと花束はあたたかな方々からのプレゼント。


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2015年11月13日 (金)

◇12月28日サントリーホール「エディット・ピアフを讃えて」

Img_2258_2

年末のスペシャルイベントのお知らせです。

ピアフ生誕100年コンサート「エディット・ピアフを讃えて」

12月28日(月)19:00開演。

会場はサントリー・ホールの「ブルー・ローズ」。

ブルーローズ……。
運命的な何かを感じる。
というのはピアフはローズ……バラが大好き。
なにか良いことが起こるときにはいつもバラの香りがたちこめる、って言っていたし、そしてブルー、青色が大好きで、恋人たちにはいつもブルーのスーツを着せたし、ブルーの瞳の持ち主ってだけでフォーリンラヴしちゃったり。
「ブルーローズ」ってその二つがあるのですから。
きっと素敵なコンサートになるでしょう。
主催はピアニストの大羽洋子さん。私を熊本にいざなってくださる方。
そしてアコーディオニストに桑山哲也さん。
歌は西山けい子さん。
そして私の語り。朗読に近いものになるでしょう。
■あるいは、サントリーホールチケットセンター 0570-55-0017
ぜひいらしてくださいね!

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2015年11月 4日 (水)

◆不変なものは何もない

Img_2219昨夜は、いろんな出来事が頭をかけめぐってなかなか寝つけずに、ようやく眠りに落ちたと思ったら、嫌な、ほんとうに嫌な、夢を見た。

泣きながら目を覚ますなんて悲しすぎる、って言ったのはメイ・サートンだったかな。

朝いつもの時間に娘の朝食とお弁当を準備して、それからソファで長い午前中、ジャクリーンの言葉を考えていた。

『ジャクリーン・ケネディという生き方』のラストにもってきた彼女の言葉。

***

絶対に変わらないのは、不変なものは何もないという事実だけよ。

だから、何にも、誰にも頼ることはできない。

頼れるのは自分自身だけ。

これがつらい思いをして私が学んだことよ。

***

夫、ケネディの暗殺、子どもたちが襲われることへの恐怖、その後世界的大富豪のオナシスとの再婚、世間からのバッシング、オナシスとの死別……。

そういうことを経験した彼女のこの言葉は、ずっしりとした重みをもっている。

私は彼女の経験に比べれば、経験にうちに入らない、と言われるようなそんな程度の経験だけれど、私なりにしてきていて、ジャクリーンのこの言葉に共鳴した。

絶対に変わらないのは、不変なものは何もないという事実だけなんだよ。

これを今日は胸に痛いくらいに深く深く刻もうと思う。

変化した事柄に対して、自分のことを棚に上げて、絶望することがないように。

ジャクリーン・ケネディ。

評判がよくない本だけど、私はやっぱり、この本が好きだし、ジャクリーン・ケネディも好きだ。

彼女は苛酷な人生を与えられたけれど、そのなかで自分の幸福を脅かすものたちと闘い続けたんだもの。

私も自らの幸福を脅かすものたちと闘わなければ。

ようやく、精神のゆらぎ、暗闇から少しずつ抜け出すことができているんだから、闘わなければ。

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2015年11月 2日 (月)

◆大羽洋子さんと熊本でピアフ

Img_2214_3ピアニストの大羽洋子(おおばようこ)さんからメールをいただいたのは、9月7日のことだった。

そこにはピアフ生誕100年に、自分のできることをしたいと思っていること、私の本『エディット・ピアフという生き方』に感動したということ、フランス、国立図書館で開催された「ピアフ展」にも行ったことなどが書かれていた。

そして洋子さんにお会いした。

彼女は生誕100年の年にピアフに捧げるコンサートを開きたいと考えていて、私に一緒にそれをしないかと誘ってくれた。

ちょうど黒川泰子さんとのコンサートの話を進めていたときだった。

Img_2215「語り」と「音楽」。

これをこれからの活動に加えてゆきたいと思っていたときに、嬉しいお話だった。

大羽洋子さんがそのときにおもちになった本、『エディット・ピアフという生き方』、ぼろぼろだった。

ページがたくさんたくさん折られていた。

私のアナイス・ニンの本みたいになっているそれを見て、私は胸が熱くなった。

大羽洋子さんゆかりの地、熊本でコンサートがあります。

また、その前日、書店でのトーク&サイン会があります。

お近くの方はご連絡くださいね。

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