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■アナイス■「日記」2007.5.15

__a「冬眠の徴候はすぐそれとわかる。第一に落ち着かない気分、第二の徴候(冬眠が危険になって死に堕する可能性が出てきたとき)は快楽の欠如だ。それでおしまい。

それは一見無害な病気のようだ。単調さ、退屈、死。幾百万の人間がそれと知らずにこんな生きかた(あるいはこんな死にかた)をしているのだ(略)。

それから何らかのショック療法が加えられる。一人の人間、一冊の本、一つの歌、それらが彼らを目ざめさせ、死から救ってくれる」

もう何度目かわからない、アナイス・ニンの日記を、夜眠る前に読んでいる。

このくだりは、以前にもラインが引かれていて、相当好きな部分だ。冬眠の徴候の二つの要素が、自分とまるきり同じものだから、はじめて読んだときには、かなり興奮したのをよく覚えている。

このところは、「落ち着かない気分」を、以前よりすこしだけ早くに察知することができるようになったようで、だから以前より「快楽の欠如」にたどり着く回数が減ったように思う。

それにしても、「ショック療法」も年齢を重ねるごとに、強烈なものを必要とするようだ。ちょっとやそっとでは、「それ」を「死から救ってくれる」ほどのものを感じとることができなくなっている。不感症になってしまったのでは、とおそれるほどに、そう思う。

外はみずみずしい緑の葉がいっぱいで、風がないものだから、湿った空気のなか、ぴたりと動かない。静かな一日となりそうです。

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